【製品について】 イギリス Wharfedale社の8インチ ( 20㎝ )、フルレンジ スピーカー、Super 8/FS. Model。15Ωタイプ。フェライトやアルニコ 赤バンに先行する、最初期のアルニコ Gold マグネット タイプになります。アルニコ Gold タイプとしては、中期以降の製品のようで、ダンパーはコルゲーション・タイプになっています。 Wharfedale社のマグネットは、アルニコ Gold タイプ→アルニコ Red タイプ→フェライト タイプと変わっていきますが、アルニコ Gold タイプの中でも、ツイーターのSuper 3と異なり、Super 8には、モデルやインピーダンスなどの異なる、様々なバリエーションがあります。(10種類をゆうに超えると思われます。)そのため、正直なところ、ステレオ・ペアとして2本揃えるだけでも大変といったところが現実です。 今回出品のSuper 8は、モノーラル中心の1950年代前半の製品を２本揃えたもの。同一のバリエーションで揃えていますが、エッジに少し違いがあります。片方は、珍しく、オリジナルのままではないかと思われます。(Gold タイプ時代のエッジは発泡性のゴム(スポンジ)で、加水分解で残っていないのが一般的です。)もう片方も、同じ発泡性のゴム(スポンジ)製のエッジを使って張り替えられていますが、材質に少し違いがあるように思われます。したがいまして、ステレオ・ペアとして使う上で違和感はありませんでしたが、一応、ペアとせず、２本とした次第です。 ガッシリとした肉厚のアルミ・ダイキャストのフレームに、お馴染のグリーンのフェルト製のガスケット、重量級のアルニコ・ゴールド・マグネット。見るからにお金と手をかけた作りです。 音質的には、基本的に、当時のイギリスのユニットらしく、けしてワイド・レンジではありませんが、中域の充実した、気品ある、優雅なイングランド・トーンです。ただし、Wharfedaleらしい芯のある強い音も健在です。大部分のイギリスのメーカーがHigh-FidelityよりGood Reproductionを目指していた時代、早くから強力な磁気回路でHigh-Fidelityを追究していたWharfedale社らしく、音はストレートに前に出てきます。ただ、フェライト・タイプのWharfedaleのユニットとは異なり、この「音の強さが時にきついという感じを与える」といったことはありません。アルニコ特有の音の表情の柔らかさが、こうした点を和らげているように思われます。「強いが尖らず」。Goodmansに代表される英国トーン特有の抒情性、特にマイナー調の切々とした訴えかけも、Wharfedaleとしては比較的強いように感じられました。 アルニコ・マグネットの時代、Goodmansの旧タイプのAxietteと並んで、1950年代のイギリスの8インチ・フルレンジを代表するユニットといえるでしょう。1950年代のイギリスは、本当に魅力的なスピーカーを作っていたと思います。 使い方としては、後面開放の箱で、コーン紙にあまり負担をかけず、ゆったりと鳴らしてやるのが一般的でしょう。そして、これ１本で、シングル・コーン・フルレンジらしい定位の良さを積極的に生かす聴き方がよいと思います。 (高域の伸びなど、現代のスピーカーに較べれば、当然不足しています。しかし、このバランスで完成された1つの英国トーンです。これを大切にすることが良いのではと思います、) 古き佳き時代のイングランド・トーンを愛好される方、コレクションの１つにいかがでしょうか。 取り付け寸法は、ネジ穴対角で、およそ195mm。8インチ・ユニットの標準的なサイズになっています。 【商品の状態について】 △ エッジについては、【製品について】で説明した通りです。 〇 外観上の古めかしさは拭えませんが、コーン紙やエッジ、センター・キャップなど、音質に関わる部分については、特にこれといった傷みは見られません。 ○ DCRは揃っており(公称インピーダンス15Ω。真空管アンプの端子は16Ωでよいと思います。)、音圧差も通常の使用で問題のない範囲に収まっています。 【その他】 発送はヤマト宅急便、1ヶ口になります。送料着払いでお願いします。 ジャンク品としての出品ではありませんので、輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。 なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。